※娘の生まれて1日目の手。
前回なぜ無痛出産と東京マザーズクリニックを選んだかを書きました。
今回は計画無痛出産の流れと出産当日の様子をご紹介します。
計画無痛出産の流れ
東京マザーズクリニックの計画無痛出産は、検診の時の子宮の開き具合と家族の都合をあわせて入院日を決めます。
入院1日目
14時に受付をし検診の後、点滴針と硬膜外麻酔のカテーテルを入れたり、子宮が3cmになっていなければミニメトロ(子宮を広げるバルーン)を入れたりします。
後はゆっくり夕食です。
入院2日目
早朝から様子をみながら陣痛促進剤と麻酔を投与する。
そして出産本番です。
勿論私も計画無痛出産の予定で入院日が決まっていましたが、前日に陣痛がおこり急遽入院することになりました。
※計画無痛出産は病院や本人によって方針が違います。
こちらはあくまで2017年時の東京マザーズクリニック&私の場合になります。
前駆陣痛と思い込んだ本陣痛
ちくちくとした痛みは入院予定の前日夜中の2時くらいからはじました。
「これが噂に聞く前駆陣痛かぁ。」と呑気に構えていたら、痛みの間隔が短くなっているではありませんか・・・。
一度病院に電話を掛けたものの、私が意外と平気そうに話していたため様子をみることに。
その後痛みは一向におさまらず、みるみる這いつくばるほどに痛くなってきて再度病院に電話しました。様子を説明すると、「すぐに来てください」ということで病院へ向かうことにしました。
入院の準備はすでにできていたので、事前に登録してあった陣痛タクシーに電話をしもらい 主人と病院へ向かいました。
朝6時だったということもあり15分程で到着。
計画出産とはいえ近くの病院にしておいてよかったーと胸をなでおろした瞬間でした。
私の様子見た瞬間、看護師さんが「これは本陣痛ですね。すぐ麻酔いけると思いますよ。先生呼びますね」
私「どうりで、痛いはずだよ・・・。これが陣痛か・・。」すでに一人では立っていられない程でした。
早朝にも関わず麻酔に対応してもらえるなんて本当にありがたい。
改めて24時間対応のクリニックを選んで良かったと痛感していました。
麻酔がはじまる
先生が到着し診察してもらうと、子宮が7センチ開いてるということですぐに麻酔がはじまりました。
硬膜外(こうまくがい)麻酔という背骨の中にある硬膜という膜の外側に痛み止めを入れる方法です。
陣痛が来ていたせいもあるかもしれませんが、注射の針の痛みをほとんど感じることはありませんでした。
20分後 私「あーーーー も~ 何にも痛くない~~い♪」
先生にも「かなり我慢しましたね。もっと早くても大丈夫でしたよ」と言われました。
本来は子宮の出口が3~5cm開く頃までに麻酔を始めることが多いようです。
入院予定日の前日だったし、前陣痛かと勘違いしてたんですよね。
出産までの待機 6時間
陣痛室
麻酔をしてもらった後は陣痛室に移動して待機になります。
本来陣痛で苦しんでいたはずの時間だと思いますが、家族が座れるソファーがあり、夫とおしゃべりしたり、スマホで写真撮ったり、瞑想したり、本を読んだり、のんびり過ごしていました。
麻酔をした後は食事ができないので水のみになります。
前日入院分の美味しい食事たべそこねたなぁ。なんてことを考えていました。
ただ本陣痛からの麻酔になってよかったことは、陣痛促進剤やミニメトロを使わずに済んだことですかね。
麻酔の副作用と追加
私の場合麻酔による吐き気や頭痛などの副作用は特にありませんでした。
この副作用の度合いも人によってさまざまなのようです。
また一度麻酔を入れたら終わりではなく、効かなくなったりするのを感じた場合は追加をすることが可能です。
ナースコールで呼んでやってもらうか、限度はありますが自分でも可能な自動追加ボタンもついていました。
私の場合は痛みを少し感じてナースコールw一度だけ追加をしました。
ここから出産までの時間はまちまちで、私の場合は思ったより子宮が開ききるまで時間がかかったようです。
いざ出産
ときおり陣痛室に子宮の状況確認に助産師さんが見に来てくださっていました。
開きが10センチになったいうことでいざ分娩室に移動。
手術の用意が整った後、主人が割烹着みたいな立ち会い用の格好で入室。
普通に話をしながらの出産になりました。痛みは全くありません。
痛みがなくなったものの感覚は残しているので、助産師さんがリードしてくれていきむことになりました。
本人も感覚的にはいきむというよりは下を向いたというレベルですが・・・
いきんで呼吸しながら10回くらい?でするっと生まれました。
「ふぎゃー」と泣いたのを聞いて、あ。終わったんだ。くらい。
すぐにカンガルーケアをして、夫と写真を撮ったりとのんびりムードでした。
緊急搬送
ところが 出産が終わったと思いほっとしたのもつかの間、そこから事態は急変しました。 出産後の処置をしても出血が止まらず結局2500mlも出てしまったのです。
先生方に色々と手を尽くしてもらい、止血はしたのですが念のため大学病院で輸血したほうがよいと勧められました。
先生や助産師さんはとても優しく諭してくれたのですが、娘を置いて別の病院へ行くこともさみしかったです。
私自身は元気だし輸血のデメリットを知ると不安になり決断できずにいました。
身体はというと、だんだん寒気がやってきて電気毛布をかけてもらうも寒い。
セカンドオピニオンが聞きたくて親族の医師に電話。
「専門の先生の意見を大切にしたほうがいいよ」というご意見を頂き、ようやく決心がついたのでした。
その時そばにいた看護婦さんが優しく、
「ママが戻ってくるまで私たちがしっかりお世話するので安心してくださいね」といわれ思わず涙ぐむ。
そして救急車が呼ばれ大学病院へ緊急搬送されることになったのです。
クリニックからは1人看護婦さんが付き添ってくださいました。
不安の中、夫の他に検診の時から知っている看護婦さんが付き添ってくださったので非常に心強かったです。
輸血をしにきただけなのですが・・
はじめは輸血をするだけということで搬送されたのですが、到着後何やらえらい数の先生や看護婦さんに囲まれました。(10人くらい?)
その場ですぐに検査。 私「え?ここで?」搬送口の近くで寒いんですけど・・
なんだか先生方が神妙な顔で会話してる。
怖すぎる・・
お偉いそうな先生「緊急オペですね。」
私「え?? オペ?? 輸血しにきただけなんだけど・・」
検査でわかった出血原因は、赤ちゃんが出てくるときに産道を傷つけて出てきてしまったから。血は止まっていたもののまた何かの拍子に傷口が広がり、これ以上出血した場合には大事に至るということで傷を縫う緊急オペになりました。
先生曰く出血量からすると本来失神しててもおかしくないとのこと。
出血量の連絡を受けていたからこそ、母体が危ないと思って先生方が色々と集まってくださったようです。
私の場合は無痛出産で、体力を使っていなかったのが功を奏し意識があるだけなようでした。
緊急オペ
意識だけははっきりしていたので、先生の声がきちんと聞こえました。
お偉そうな先生「担当医は手術技術がピカ一です。安心してください。」
担当医「では、オペを開始します。麻酔が効かないのでかなり痛いですよ。」
私 「ん?は??」
看護婦「かなり痛いので手を握っててもいいですからね」と手を出してくる。
私「ん? 麻酔が効かない・・ それで産道を縫うとは・・」
ハイ!
叫びました。ずーーーっと絶叫しました。
この世のものとは思えない声が出ました。
看護婦さんの手を砕きそうなくらい握りました。
長い。
手術がとにかく長い。
もうやめてくれーーっ。
輸血するだけって言ったじゃないかぁぁぁーーー。
そう思いつつも、痛すぎて言葉が言葉にならなかったw
ただ絶叫。
ひとはりひとはり糸と針の感触がはっきりわかるんですもん。
手術後ただ放心。
握った看護婦さんの手が真っ赤。
そうだよな。力のある限り握りつぶしてしまいました・・
私「ごめんなさい。ごめんなさい。」何度もあやまりました。
看護婦さん「大丈夫ですよ。今夜は私がお世話しますからね。」
な、泣きそう・・
しかも手術後はしばらく一切動かせないということで、なんと手術台の上で一晩過ごすことに。
夜21:00頃夫に買ってきてもらったご飯を食べる。
24時間ぶりのご飯。少し話をして夫帰宅。
私の出産がようやく終わりました。
1日が長かった・・・
痛みに弱いから無痛で出産したのに・・
何でこんなはめに・・
手術台で寝るなんて怖すぎる・・
なんてその時は思っていましたが、調べてわかったことは
2500mlも出血というのは産科危機的出血といって出産死亡の最大原因。
非常にあぶない状態で輸血は必須。
やはり先生方が集まっていたのもその為だったんですね。
感謝しかありません。
あー。私下手したら死ぬとこだったんかなぁ。
ぼんやりしながら点滴と輸血のくだと注射の跡で青紫になってる両腕をみて、手術室で一人涙が止まりませんでした。
その後ピカ一だとおっしゃっていただけあって術後の痛みはなく、順調に回復しました。
大学病院で2日過ごし東京マザーズクリニックへ戻ることになります。
長くなりましたので産後の入院についてはまた次回お話しいたしますね。
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